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ラスヤトラ前夜祭

今日は地元の自然公園でハレ・クリシュナのお祭りの前夜祭がありました。ハレ・クリシュナというのは、日本ではほとんど知られていないのですが、インドに古くから伝わる宗教です。多神教として知られるヒンズー教の原型と言ってもいいかと思います。何十年か前にインドからプラブパーダという偉いお坊さんがアメリカに渡りました。所持金はルピーでおよそ千円くらい。アメリカでルピーを持ってたって意味ないので、つまり完全に一文無しでした。しかも遠い異国に身寄りの一人もあるじゃなし。。。それに加えて、プラブパーダ様は貨物船にタダ乗りさせてもらってアメリカまで来る間に2回も心臓麻痺をやってて、お年は70歳。つまり、こう言っちゃなんですが野垂れ死にしてても全然不思議じゃない、あるいはそうならないのが不思議でならないくらいの状況でした。

しかし、なぜかプラブパーダ様は生き延びました。彼がしたことは、船から下りてその辺の公園に行き、木の下で念仏を唱えることでした。「ハレ・クリシュナ、ハレ・クリシュナ、クリシュナ、クリシュナ、ハレ、ハレ。ハレ・ラーマ、ハレ・ラーマ、ラーマ、ラーマ、ハレ、ハレ」という、いつからあるのか分からないほど古い古い念仏です。「ハレ」、「クリシュナ」、「ラーマ」というのは、どれも神様の名前です。ただ、この場合の名前というのは私の名前が「葉子さん」であるようなものとはかなり格が違っています。「葉子さん、葉子さん」といくら唱えていただいても何の得にもなりませんが、神様の名前というのは神様の性質などを表すものであり、神様そのものであるともいえます。言霊の親玉とでも思っていただければ近いかもしれません。

アビラウンケンソワカという真言を聞いたことのある方は多いかと思います。阿毘羅吽欠裟婆呵と書くそうですが、こう書くと中国語っぽいけど、サンスクリットです。つまり、インドから伝わってきたお念仏です。これを唱えて邪気を払い、心を落ち着けたことのある方もあるかと思います。「ハレ・クリシュナ、ハレ・クリシュナ、クリシュナ、クリシュナ、ハレ、ハレ。ハレ・ラーマ、ハレ・ラーマ、ラーマ、ラーマ、ハレ、ハレ」というのは多少長いですけど、そういう真言の究極の形と考えて差し支えないと思います。心の隅っこにでも留めていただいて、必要を感じたときにはそっと唱えてご覧になるとよろしいかと思います。

まあそれで、プラブパーダは結局念仏一本で世界中に教えを広めました。教えそのものはこのように非常に古いものですが、それまでインドから出たことのなかった教えが急速に世界各地に広まったので、それに伴って現代的な組織体が形成されました。そのためハレ・クリシュナは新興宗教だと勘違いされることが多いのですが、何千年どころではなく古い教えです。カナダでは知名度も高く、毎年夏に行われる大きなお祭りにはイギリスの女王様を始めとして、総督、首相、知事、市長さんなど、いかにも偉そうな肩書きの人たちからこぞってお祝いの手紙が届きます。今日は公園でそのお祭りの前の念仏大会というか、キールタンといって大勢集まって真言を声高に歌うというのが行われていたので、行ってみたのでした。これは地元の情報誌に載っていたキールタンの広告。
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地球温暖化のお陰で最近トロピカルなバンクーバーです。自然公園は海に面しているので、行ったことないけど気分はカリフォルニアというところでしょうか。
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公園の入り口近くにはこんなホテルがあります。秋は紅葉してきれいです。
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明日は海辺の道で大きなパレードがあるので、特別に駐車禁止になります。おそらく山笠の原型と思われる大きな山車を大勢の人がロープで引っ張ります。
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砂浜が混雑してますね。入るのに入場券が要るんじゃないかと思うほどです。
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散歩する老夫婦。
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会場です。結構人が集まっています。
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キールタンはステージで行われていました。5時半から9時までのプログラムでしたが、早いうちに行ったのでどうも非常に不慣れな演奏ばかりが続いていました。暗くなる頃にはもっと上手なのも出てきたんじゃないかな、と思います。まあ、何事も修行です。。。
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くつろいだ格好で辛抱強く聞いている人々。
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菜食のスナックを売ってます。明日はここで無料のお料理が振舞われます。一人5ドル寄付してください、と書いた箱が置いてありますけど。毎年見ていると、大抵の人がちゃんと寄付しているようです。
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ヘナのアートをするところ。ヘナというのは肌に着色するハーブです。細かい模様を描きます。
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衣類や装飾品を売る出店がたくさんあります。インドのジュエリーって、それはそれは派手です。これはやはりインド人の顔立ちでなきゃ無理でしょう、というのがたくさんあります。
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菜食につしていろんな説明をしているテント。
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魂と体の関係について説明するテント。
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by ammolitering3 | 2010-08-15 13:56
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