オンタリオ2
D君のお母さんはもうすぐ90歳になられます。カナダ生まれカナダ育ちの本物のカナダ人のお年寄りなので、おうちの中ではきちんと靴を履いていらっしゃいます。私が靴下でうろうろしていたら、「家の中ではちゃんと靴を履きなさい」と言われました。さすが異文化です。
この地域のいくつかの村や町だけを対象としたローカル新聞があったので見ていたら、当然ながらすごくローカルな記事がたくさんありました。堂々第一面を飾るのは、トロントからカリビアン・バンドが来てコンサートをしました、という記事。茶色い肌の人たちが不思議な楽器で奇妙な音楽を奏でるのですから、極めて保守的な田舎にとっては衝撃的な大ニュースなのです。2週間の旅行の間に見かけたのは、ほぼ100%白人ばかりでした。例外は、黒人一人、インド人一人、中国人一家族、以上。それとネイティブ・インディアン少々。カナダは本質的に白人の国です。 どこかの村の公園に新しい遊具ができました、という記事。 だれそれさんの息子とだれそれさんの娘が結婚しました、という記事。その他、だれぞがどこぞの学校を卒業しました、とか、お亡くなりになりました、などの記事も充実しています。 旅行中の私の仕事場、その一。D君のお母さんのおうちの前のベランダです。一文にもならない翻訳の仕事ですけれど。 あんまりよく写っていませんが、渡り鳥です。ガーガーと鳴きながら隊列を組んで南に向かう彼らの姿は、夏の終わりを告げる風物詩です。 D君のお母さんは、お若い頃は軍人さんでした。白黒の写真の中の彼女は小柄で綺麗なお嬢さんなのに、りりしく軍服を着て戦争に行くのだからすごいものです。車のプレートには、退役軍人のマークである赤いケシの花が描かれています。 近所の家にかっこいいクラシックカーがとまっていました。D君によれば、何やらものすごく珍しい特別な車だそうです。 お墓参りにいきました。明るい感じで広々しています。 お墓の形はいろいろあって、見ていて楽しい、というか、興味深いです。何々家の墓、という感じではなくて、個人のためのものである場合が多いです。一つの区画には(この墓地の場合は)6人までと決まっていて、人数が増えたら墓石に名前を彫ったりするようですが、死んでも個室という感じがするののほうが多いようです。 このスタイルは軍人として亡くなった人のお墓です。 軍曹でした、とか、兵卒でした、とかが明記してあります。 これは小さな子供だったことを示すお墓。無垢であることを象徴する子羊がついています。 「お母さん」と書いてあるお墓。お子さんたちに慕われていたのでしょう。 造花や置物で明るく飾られたお墓も多いです。「妻だれそれに愛された夫、何々が永遠に安らかに眠っています」という感じに個人的なメッセージが書かれている場合が多いです。
by ammolitering3
| 2009-09-10 09:41
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